2007年5月23日水曜日

兵庫県 マエゾノさま



私の父と母は、口喧嘩が絶えない夫婦でした。

私が結婚してたまに実家へ帰ると必ず、母からは父への愚痴を聞かされ、父からは母の愚痴を聞かされていました。
私は「この両親はよほど気があわないのだ。離婚しないのが不思議だ」と思っていました。

3年前、母が亡くなった時、通夜から葬儀の直前まで、父はずっと母の前で何も言わず座っていました。

その姿をみて私はやっと気がつきました。

父と母が口喧嘩をしてると思っていたのは、実はコミュニケーションだったのだ。愛情表現だったのだ。
本当に仲が悪いのなら、口もきかないはず。口喧嘩のような会話のある毎日、それは仲がいい証拠だったのだ。喧嘩相手のいなくなった父は、急に無口になりました。

葬儀の時、一言だけ母に向かって言葉をかけた、その一言は

「ママ、ありがとうな。息子と娘を生んで、いい子供に育ててくれて。」

私は、決して良い娘ではないけれど・・・。母の代わりにはなれないけれど・・・。
これからは母のいないぶん、父を守ってあげようと思いました。

(兵庫県 : マエゾノさま)

2007年5月9日水曜日

東京都 カトウさま


私の両親は、私が幼い頃事業を始め留守がちだった為、母方の祖母に預けられ、祖母との過ごす時間が多い私に祖母は、とても優しくそして厳しく育ててくれました。

年頃になり祖母の気持ちに答える事も少なくなり、祖母は一人でいる事が多く寂しそうでした。

ある日頭が痛いと言い倒れ、くもまっか出血で入院3日目の夜私が駆け付けると、意識が無く機械で生きている状態でした。
足には、死斑が出て泣きながらこすりおばあちゃんと呼ぶと、意識が無いはずの祖母は、立ち上がりそうな程力強く頷いてくれました。

それが最後でした。

お葬式では、綺麗に薄化粧をされみんなに見守られ立派なお葬式でした。
夜大きな真っ赤なお月様が私たちの帰り道を照らしてくれていた事が20年以上過ぎても忘れることが出来ません。

今でもお墓参りは、欠かすことの出来ない私の習慣です。


(東京都 : カトウさま)