子どもの時、母方のおばあちゃんの初盆のために、提灯を選びに行きました。
クルクルとピンクやブルーに変わりながら影が映る提灯に、当時の私は心惹かれましたが、母はそういうのはちょっとねぇ・・・・と取り合ってくれませんでした。
母が選んだのは家紋入りの上から吊り下げるタイプのもの。
家紋の存在もその時初めて知りました。
田舎の古いつくりの家にはやっぱりとてもしっくりときて、今でもお盆に行くときちんと吊り下げてあります。
自分の家の家紋をすぐに答えられる人は今、どのくらいいるのでしょう。
語り継いでいかなくてはならないことが、たくさんたくさんあるのに、やっぱり自分も曖昧にしか知らないことが多くて、なんだか情けなくもあります。
母方の実家もだんだん縁遠くなりつつもあり、去年はお盆にいけませんでした。
きっと母が贈ったあの提灯も、代が変われば、もしかしたら物置に眠ったままになるのかもしれないのでしょうね。
灯りがともらないままの提灯が、年々増えていっているであろう日本に、ご先祖様たちはどう思っていらっしゃるのでしょうか。