2009年3月24日火曜日

福岡県 タカハシさま



新郎の母

結婚披露宴やご葬儀といった、冠婚葬祭の儀式の場で進行役を務める司会者の私が、なんと自分の息子の結婚披露宴の際のマイクまでも握りゲストを驚かせてしまったのは、つい先月のことです。

東京での挙式披露宴を済ませ、地元で恩師や友人達を集めた40名前後の気楽な披露パーティー兼同窓会のような集まりではありましたが、やっぱり人任せにはできず、いろいろなサプライズやハプニングも盛りだくさんの賑やかなひとときとなりました。

フィナーレに、サプライズの一つとして、新婦が綴る感謝の手紙の代わりに新婦のお母様にお願いして、新婦への手紙を読んでいただきました。
娘へのあふれる思いを切々と語ってくださり、会場のあちらこちらでうなづきながら聞いているゲストの目からも、涙がこぼれていました。

それでは新郎の母からも一言・・・・

「娘を嫁がせる母親の寂しさと同じくらい、息子を持つ母だって、こんなに辛いとは思いませんでした。」

慈しみ、守り育んだ我が子の成長は嬉しくもあり、けれども同時に、繋いだ手がそっと離れていってしまうような、複雑な思いを感じてしまったのも事実です。
そして、新郎新婦だけでなく、集まってくれた友人皆にお願いしました。

「どうか、親よりも一秒だけでもいいから、長く生きていてくださいね。」

披露宴が終わって、ゲストのお見送りをしている頃、昨年の冬に結婚した息子と同級生の男の子が、私に近づいてきて言いました。

「おばちゃんのメッセージが、とても心に響きました。母を大事にします!」

私の友人でもある、彼のお母さんも、きっと同じ思いをしていたはずです。

「男の子の親だって、喜んでばかりじゃないのよ・・・・。」