2006年11月2日木曜日

岡山県 ソダニさま



もう5年前のことになります。

今の主人と出会って婚約し、結婚式の準備に追われている幸せいっぱいだった頃、私の祖母が悪性腫瘍であることがわかりました。
入院して手術と抗がん剤の治療を繰り返しながら、一度は家に帰れたものの再発し、体のあちこちに転移が認められました。
再度入院することになり、まだ婚約中だった主人と何度もお見舞いに行きました。祖母には告知をしていませんでしたが、死を悟っているようで私たちにいろんな話をしてくれました。

それから2ヶ月後祖母は家族が見守る中、息を引き取りました。
私は祖母が大好きでした。思春期で親に反発していたころ、祖母だけは私の気持ちを理解し受け止めてくれ、だからこそ祖母の話には耳を傾けていました。そんな祖母ともう話ができなくなるかと思うと悲しくて、お通夜、お葬式の間中ずっと涙が止まりませんでした。最後のお別れのとき、お棺の中に祖母が元気だったころみんなで撮った写真と、私が書いた祖母への最後の手紙を一緒に入れてもらいました。

それから数ヵ月後、祖父が祖母の持ち物を片付けているとき、ある手紙を見つけ、私に届けてくれました。その手紙は、結婚式を延期するのがよいか考えていた私宛でした。

そこに書かれていたのは、もし自分が亡くなっても気にせず結婚式を挙げなさいということと、どんなにつらいことがあっても夫婦でお互いをいたわりながら助け合って頑張りなさいということでした。

その手紙を読み、大声で泣きました。きっと、私のことが心配だった祖母が、お葬式の日にお棺の中に入れた手紙の返事のかわりに天国から送ってくれたんだと今でも思っています。

現在、祖母の教えを胸に、主人と二人の子をもうけ、家族仲良く暮らしています。

(岡山県:ソダニさま)

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