2007年7月25日水曜日

福島県 ワカナさま



父は、寡黙な明治生まれでした。

祖父や父が手入れをした杉の木を使い、父がコツコツ貯めたお金で住宅の改築をすることになりました。

そんな時、父が脳梗塞で入院しました。

症状が進み、家族を認識できない状態になり、早く、家に帰りたい、帰りたいと言っていた父は、きっと私達家族よりも、家の完成を待っていたに違いありません。
もう少しで完成の一歩手前で父は亡くなりました。

仮住まいから葬式は出したくないと思っていた私達でしたので、父の葬式が新築した家の初めての催事に使えたのが、何よりの恩返しだったと20年が過ぎた今でも思っています。

(福島県 : ワカナさま)

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