家族思いのとても優しい子でした。ずっと苦しんでいたのでもうこれで苦しまなくていいんだから、みんなで見送ろうと私たち家族なりの葬儀を行いました。
参列者は私たち家族だけ。喪服も着ませんでした。豪華な花輪もありません。そんな事を妹が喜ぶとは思えなかったのです。あの子が好きだったお花をたくさん買い、大事にしていた物を棺に入れ、涙を流しながら「今までありがとう。」と声をかけました。
母は泣きながらずっと妹の顔を触り、「いつも優しくしてくれてありがとう」としきりに言っていました。兄はただ泣いているだけ。私は妹のこの世での最期の顔をずっと眺め、顔を触り、手を触り、足を触り、妹の存在を一生懸命感じていました。
そこにいるのは確かに妹なんだけど、間違いないんだけど、頭がついて行けず、泣きながらも「この人は誰なんだろう」と言う不思議な感覚にも見舞われました。骨になった妹を見ればなおさらそう思います。
あまりにも早すぎる死。納得のできない死。生きるとは、死ぬとは何だろうと深く考えさせられました。人に話せば「何なのそのお葬式?」と思われるでしょう。でも私は、私たちらしい送り方ができたと思っています。
妹よ、どうぞ安らかに。お姉ちゃんもいつかそっちへ行くから、それまで待っていてね。見守っていてね。
(神奈川県:山下さま)
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