2006年3月8日水曜日

埼玉県 千葉さま



父の葬儀。

生活保護を受けていた父は「葬儀は市でやってもらい、同居の母親と、娘の私だけ来てほしい」と話していました。遺言状もしっかり書いておくような生真面目さが「うつ」になった原因だと思います。

葬儀は形だけ行われました。ずっと会っていなかった人ばかり、お金のもめごとで別れた人たちです。私は父の言ったとおりに行うのが使命だと思う反面、強がりで言っていたのかもと悩みました。

病院でももちろん、葬儀ではみなが泣きました。でも私は内心ほっとした気持ちで、涙はでませんでした。手紙を御棺に入れ、頬に触り、お別れを言いました。「これでよかったんだよ、ありがとう」と。

みなには反感を買うことになりましたが、最後まで父の姿を見て声を聞いていた私には本心でした。父は苦しんでいました。人の心が信じられなくなっていました。そういう病気でした。

私もどうしていいかわからなかったけれど、みなのように「会わない」ことが解決だとは思えなかった。葬儀は冷たいものだったけれど、私が巻き込まれないようにと幸せを願ってくれた父のことを思うと強くなれた一日でした。

(埼玉県:千葉さま)

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